目次
はじめに
これから福岡市で注文住宅を建てたいとお考えの方の中には、「せっかく建てるのだから、おしゃれで洗練された家にしたい」と期待されていることでしょう。しかし、いざ家づくりが始まると、住宅の機能性や耐震性、そして資金計画の調整に追われ、デザインの優先度が後回しになってしまうケースも少なくありません。
福岡は都市の活気と豊かな自然が調和した魅力的な街です。この素晴らしい土地で、ご家族のライフスタイルに深く根差した、美しく快適な住まいを実現させましょう。
この記事では、「外観」「内装」「間取り」の切り口から、重視するデザインの軸となる考え方をご紹介します。全体に統一感と奥行きを生み出すための具体的な手法をまとめましたので、ぜひ家づくりのアイデア集としてご活用ください。
1.外観デザインを決定づけるポイント
注文住宅の外観は、住まいの第一印象を決定づける「顔」であり、家に帰るたびに心地よさを感じさせてくれる大切な要素です。
外観をおしゃれに仕上げるためには、まず、目標とするデザインテイストを明確に決めることが重要です。モダン、和モダン、ナチュラル、北欧系など、テイストを絞ることで、屋根や外壁の素材、色、形状に一貫性が生まれ、全体のバランスが整いやすくなります。
近年、福岡でも特に人気が高いのは、シンプルな形状に異なる素材や色を効果的に組み合わせたデザインです。
- 異素材の組み合わせ: 例えば、スクエア型のモダンなフォルムに、木材の格子やタイルなどの異素材を部分的に取り入れることで、シンプルさの中に温かみや高級感というアクセントを加えることができます。
- 面(壁)の切り替え: 外壁の素材や色を切り替える際は、建物の凹んだ部分や、立体を付け足したような出っ張った部分など、壁の面が切り替わる境界線で変えるのがポイントです。これにより、デザインに深みが生まれ、長く飽きのこない洗練された印象になります。
福岡の街並みにも調和し、住む人が愛着を持てる素敵な外観を目指したいですね。
2.内装を洗練させるカラーコーディネートのコツ
おしゃれな内装の注文住宅の多くは、室内に使用する色の種類を厳選し、ベースとなる空間に統一感を持たせています。あれもこれもと好きな色を取り入れたくなる気持ちを抑え、基本となる色を2〜3色程度に絞ることをおすすめします。
一般的に、インテリアにおける色の配分の目安は以下の通りです。
・ベースカラー(70%程度): 床、壁、天井など、空間の大部分を占める色。
・メインカラー(25%程度): 大型家具(ソファ、ダイニングテーブルなど)、窓周りのファブリックの色。
・アクセントカラー(5%程度): クッション、アート、照明など、空間に個性を与える「差し色」。
内装選びは、まるで「暮らしを彩るキャンバスを準備する」ような心持ちで進めましょう。
また、意図的に視線が留まる場所を作り出すことも、内装デザインの重要なテクニックです。これは「アイキャッチ・ポイント」とも呼ばれ、例えばリビングの壁にアートを飾ったり、印象的なペンダントライトを吊るしたりすることで実現します。この「主役」の周囲は、あえてシンプルに整えることが、空間のメリハリを生み出す鍵となります。
3.開放感あふれる間取り設計のコツ

真におしゃれな住宅とは、単に装飾が美しいだけでなく、光と風が通り、居心地が良い空間のことを指します。その鍵を握るのが、「空間のつながり」と「視線の広がり」です。
間取りを考える初期段階で、部屋の壁を可能な限り減らし、視線が遠くまで抜けるようなオープンな設計を意識することで、実際の床面積以上の広がりと開放感を得ることができます。
具体的な手法例
- 立体的な繋がり: 吹き抜けを設けて上下階の空間を縦に繋げたり、スキップフロアで緩やかな段差をつけることで、立体的な広がりを生み出します。また、階段にスケルトンデザインを採用すると、光が透過し、空間の分断を防げます。
- 生活空間の連携: オープンキッチンは、LDK全体を一体の空間として機能させ、家族間のコミュニケーションを円滑にします。
- 外部との融合: 大きな窓や掃き出し窓を効果的に配置し、外部の庭やベランダの景色を室内に取り込む「借景」により、視線の抜けを創出できます。
4.費用を抑えても実現できる!デザインを格上げするアイデア
高いデザイン性を追求すると、必然的に建築コストは上昇しがちです。しかし、高額な設備や建材に頼るのではなく、配置や選び方の工夫によって、グッとおしゃれな空間を演出することは可能です。
- 外観の美しさは「シンプルさ」から生まれる 凝った装飾や複雑な形状よりも、直線を基調としたシンプルな外観の方が、モダンでスタイリッシュに見える傾向があります。さらに、凹凸が少ない形状は外壁面積が減るため、コスト効率も良くなるというメリットがあります。
- 空間を豊かにする「間」と「余白」の意識 収納量を確保して生活感のあるモノを隠すこと、そして不必要なモノを置かないことが、洗練された空間の基本です。家具やオブジェを配置する際も、ぎっしり詰め込むのではなく、あえ*余白(間)を設けることで、一つひとつのアイテムが際立ち、格調高い雰囲気が生まれます。
- 魅せる収納で生活感をデザインに変える あえてオープンな棚を設ける「魅せる収納」は、センスの見せどころです。重要なのは、モノを飾ることと隠すことのバランスです。見せるモノは色や素材のトーンを揃え、余裕を持たせて配置することで、空間の一部としてデザイン的に機能します。
- 自然の要素(グリーン)を室内に取り込む 「何か物足りない」と感じる空間には、観葉植物を取り入れてみましょう。グリーンは、無機質な空間に生命感と瑞々しさをもたらし、一瞬でおしゃれなカフェのような雰囲気を演出できます。
- 視線を集める「主役」を配置する リビングやダイニングなど、部屋に入ったときに最初に目が行く場所に、個性的なアート作品や特徴的な家具などを配置して「主役」を作ります。意識的に視線を集めるポイントを作ることで、部屋全体に立体感とメリハリが生まれます。
- 布の力でインテリアの表情を変える カーテン、ラグ、クッションカバーといったファブリック類は、比較的安価に、かつ手軽に季節や気分に合わせて部屋の雰囲気を変えられる強力なツールです。色合いだけでなく、麻、コットン、ベルベットなどの素材の質感を変えることで、空間の印象を大きくコントロールできます。
5.福岡市の行政区別土地価格と人気の住宅エリア
理想のデザインを実現するためには、土地の選定と予算計画が重要です。福岡市内の土地相場を参考に、計画を進めましょう。(※下記は参考値であり、最新情報はご自身でご確認ください。)
福岡市の行政区ごとの、一般的な土地価格の平均坪単価(地価公示・基準地価ベース)の相場は以下の通りです。
行政区平均坪単価(参考値)
・中央区約511.4万円/坪
・博多区約416.3万円/坪
・早良区約106.1万円/坪
・南区約99.1万円/坪
・城南区約70.0万円/坪
・東区約64.2万円/坪
・福岡市西区約60.4万円/坪
6.おしゃれなデザインと両立させたい!福岡で重視すべき住宅性能
いくらおしゃれなデザインの家を建てても、住み心地が悪ければ意味がありません。特に福岡は、夏は蒸し暑く、冬は寒暖差が激しい地域です。デザイン性と福岡の気候に適した住宅性能を両立させることが、長く快適に暮らすための秘訣です
1. 高い断熱性能と気密性能
福岡で快適に過ごすために最も重要なのが、断熱性(熱の出入りを防ぐ)と気密性(隙間をなくす)です。高い断熱・気密性能を持つ家は、冷暖房効率が向上し、光熱費の削減につながるだけでなく、デザインの自由度も高まります。
- 大きな開口部の実現: 断熱性能が高ければ、デザインで人気の大きな窓や吹き抜けを採用しても、室温が外気の影響を受けにくくなります。
- 結露対策: 福岡の冬場に起こりやすい結露を防止し、カビの発生リスクを抑えることで、室内のデザインや建材の美しさを長く保てます。
2. 湿気・カビ対策(通気層と換気)
多湿な福岡の気候を考慮すると、湿気対策は必須です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
注文住宅のデザインは自由度が高い分、迷いや悩みがつきものですが、ご紹介したようなデザインの基本原則を押さえ、統一感と余白を意識することで、必ず自分らしいおしゃれな住まいづくりが実現します。
福岡という恵まれた環境で、デザイン性、機能性、そしてご家族の理想を両立させた、最高の住まいを手に入れてください。