目次
1. はじめに ─ 注文住宅で平屋を選ぶ人が増えている理由
近年、注文住宅を建てる際に「平屋を選びたい」と考えるご家庭が増えています。かつて平屋は、郊外や田舎に多い住宅スタイルという印象がありました。しかし今では、都市部の子育て世代からも注目されています。理由はシンプルで、平屋が持つ「安心感」「つながり」「暮らしやすさ」が、子育て世代のライフスタイルにぴったりだからです。
特に福岡市やその隣接市町は、都市機能と自然環境のバランスが取れたエリアが多く、平屋でのびのび子育てをしたいと考える方が増えています。本記事では、注文住宅で平屋を建てるメリット・デメリットを整理しつつ、子育て世代がどんな暮らしを実現できるのかをイメージできるように描きながら、福岡市エリアの土地事情についても解説します。
2. 注文住宅における平屋のメリット
2-1. 子どもの安全を守る
小さなお子さまがいる家庭にとって、階段のない平屋は大きな安心です。ハイハイやよちよち歩きの時期も、階段からの転落を心配する必要がありません。親は子どもを見守る時間を減らし、安心して家事や在宅ワークに取り組めます。
たとえば、朝の風景を想像してください。キッチンで朝食を準備しながら、リビングで着替えやランドセルの準備をする子どもの姿が自然と目に入る。階段の上下移動がないため、声をかければすぐ届き、家族の一日がスムーズに始まります。
2-2. 家族の距離が近く、つながりを感じられる
平屋の最大の魅力は「家族がワンフロアでつながる」ことです。子ども部屋を廊下で仕切っても、2階に上がってしまうような距離感はありません。夕方、子どもが学校から帰ってきてランドセルをリビングに置き、ダイニングテーブルで宿題を始める。その様子をキッチンから見ながら夕食の準備をする。そんな自然な一体感が、毎日の暮らしの中に積み重なっていきます。
思春期になって部屋にこもりがちになっても、平屋ならリビングの声や生活の気配が届きやすく、完全に孤立しにくいのも特徴です。「一緒に暮らしている」という実感を親子で持ちやすい住まい。それが平屋の注文住宅です。
2-3. 家事効率が高く、共働き世帯にうれしい
共働き世帯にとって「時短」は生活のテーマのひとつです。平屋は階段移動がないため、家事が驚くほど効率的になります。
例えば洗濯。2階建てなら洗濯機が1階、物干しが2階という動線が多いですが、平屋ならキッチン横に洗濯機を置き、勝手口からすぐ庭へ出られる動線を確保すれば、干す・取り込む・片付けるが一直線で完結します。掃除機を持ち運ぶときも、上下移動がなくラク。買い物から帰ったときも、玄関からキッチンまでワンフロアで直通。小さな積み重ねですが、暮らし全体で大きな余裕を生み出します。
2-4. 将来を見据えた安心の住まい
子どもが巣立った後、夫婦二人の生活に戻っても、平屋なら階段を使わずに暮らせる安心感があります。介護や同居の必要が出ても間取りを調整しやすく、終の住処としても安心です。
出典:平屋とは?今人気の平屋における7つのメリットと5つのデメリットを検証。デメリットを解消する間取りも紹介! | 住まいのお役立ち記事
3. 注文住宅における平屋のデメリット

3-1. 広い土地が必要
部屋数を1階で確保するため、2階建てよりも広い土地が必要です。福岡市中央区や博多区のように坪単価が高いエリアでは、平屋を建てるのは難しいケースもあります。
3-2. コストが割高になりやすい
屋根や基礎の面積が広がるため、延床面積が同じでも2階建てよりコストが高くなることがあります。ただし、将来的に建て替えや減築などの大規模リフォームが不要になる点を考慮すれば、長期的にはコストメリットがあると考えることもできます。屋根面が広いので、太陽光発電をご希望の方には、メリットとなります。
3-3. プライバシー・防犯の工夫が必要
すべての部屋が1階にあるため、道路からの視線や防犯に配慮する必要があります。外構や植栽で視線を遮る、中庭を設ける、センサーライトを活用するなど、設計段階で工夫を取り入れることが大切です。
出典:平屋とは?今人気の平屋における7つのメリットと5つのデメリットを検証。デメリットを解消する間取りも紹介! | 住まいのお役立ち記事
4. 平屋を成功させるための注文住宅の工夫
4-1. 採光と通風の工夫
平屋は奥行きが長くなると中央が暗くなりがちです。中庭や吹き抜けを設け、光と風を取り入れる設計で快適さを確保できます。
4-2. 子育て世代に人気の間取り
「コの字型」「ロの字型」の平屋は、プライバシーを守りながら中庭を囲んで子どもの遊び場を確保できます。親はリビングやキッチンから自然に子どもの様子を見守れます。
4-3. 収納と将来の可変性
平屋では小屋裏収納やウォークインクローゼットが活躍します。また、子どもが小さいうちは広いプレイルームとして使い、成長後は仕切りを入れて個室化するなど、ライフステージに合わせて柔軟に変えられる設計が理想です。
5. 福岡市エリアの土地事情と平屋の相性
5-1. 中心部(中央区・博多区)
土地価格が高く狭小地が多いため、平屋の建築は難しい傾向です。コンパクト設計を検討するか、郊外への移住を選ぶ方も少なくありません。
5-2. 郊外エリア(東区・南区・西区・早良区)
比較的広い土地を確保しやすく、平屋に適した環境が整っています。東区香椎や西区今宿、早良区田村は自然と都市機能のバランスが良く、子育て世代に人気です。
5-3. 隣接市町(春日市・大野城市・糸島市・那珂川市・糟屋郡・福津市・宗像市)
春日市や大野城市は交通アクセスが良く、共働き世帯に選ばれています。糸島市は自然を生かした広い土地で平屋を建てたい層から注目度が高まっています。那珂川市や糟屋郡の志免町・新宮町も、福岡市中心部へのアクセスと平屋に適した土地の両方を兼ね備えています。福津市・宗像市は、平屋との相性がよりアップします。
5-4. 工務店に相談するメリット
地域密着の工務店は、土地探しと設計を同時に考えられる点が強みです。地域特性に詳しく、防災や地盤なども含めたアドバイスを受けられるため、平屋の注文住宅には特に頼れる存在です。
6. 規格住宅という選択もあるが、平屋の商品は少ない
注文住宅を検討する際、「規格住宅」という選択肢に目を向ける方も多いでしょう。規格住宅とは、あらかじめ用意されたプランや仕様の中から選んで建てる住宅で、設計費や工期を抑えられるのが大きなメリットです。特にコストを重視する子育て世代にとっては魅力的に映ります。
しかし、平屋に関しては事情が少し異なります。規格住宅の商品ラインナップは、依然として2階建てが主流。都市部での土地事情や需要の多さから、平屋の規格住宅は数が限られているのが現状です。結果として、平屋を望む場合には「規格住宅」ではなく「注文住宅」で一から設計するケースが多くなります。
もちろん、規格住宅の中にも平屋プランを用意している工務店やメーカーは存在します。ただしプラン数が少ないため、希望の間取りや暮らし方にフィットしにくいこともあります。その点、注文住宅なら土地の形状や家族のライフスタイルに合わせて自由に設計でき、平屋の持つ魅力を最大限に引き出せるのです。地域に取り扱いの工務店があるかどうかも、重要なポイントです。
7. まとめ ─ 注文住宅で理想の平屋を実現するには
注文住宅で平屋を建てることには、子育て世代にとって大きなメリットがあります。階段のない安全性、家族との一体感、家事効率の高さ、庭とつながる豊かな暮らし。これらは日常の小さな積み重ねを通して、家族の歴史となって残っていきます。
一方で広い土地やコスト、防犯の課題もありますが、福岡市郊外や隣接市町には平屋に適した土地が多く、地域密着の工務店に相談すれば解決の糸口を見つけられます。永大ハウスにも、是非ご相談ください。
平屋の魅力は「家族の時間をどう過ごすか」を具体的に思い描けることにあります。春の庭でピクニック、夏の水遊び、秋の落ち葉遊び、冬の団らん。そんな四季折々のシーンを日常に取り込めるのが平屋の強みです。
理想の住まいは「注文住宅」だからこそ叶います。子育て世代にとって、平屋は未来の安心と今の豊かさを同時に実現する住まいといえるでしょう。