はじめに
これから福岡市で注文住宅を建てたいと考えている方は、土地探しから始めることになるかと思います。
しかし土地の探し方がわからないまま、漠然と進めてしまっている方も多いのではないでしょうか。
理想の土地を見つけるためには、事前のリサーチや土地探しにおけるポイントを押さえておくことが大切です。
そこでこの記事では、福岡市の土地価格や推移、マイホームを建てるための土地探しのポイントについて解説します。
1.福岡市の土地価格と推移傾向
福岡市の地価は13年連続上昇中!
福岡市の公示地価は、住宅地・商業地ともに13年連続で上昇しており、特に住宅地の平均価格上昇率は、近年2年連続で全国1位(都道府県庁所在地別)となるなど、その勢いが際立っています。最近10年間で、福岡市の住宅地の公示地価は約2倍に、商業地は約2.7倍に高騰しています。(※令和7年地価公示の概要より)
参考:【基準地価2025】福岡市の住宅地・商業地が13年連続上昇〈福岡県内の価格・上昇率上位一覧〉|【西日本新聞me】
参考:福岡市は住宅地高騰、コンパクトな戸建て需要増える…公示地価の上昇率が都道府県庁所在地で2年連続トップ:地域ニュース : 読売新聞
特に中央区や博多区は高い伸びを示しており、高騰が顕著です。また、郊外エリアである西区でも、姪浜駅周辺など利便性の高いエリアを中心に地価が上昇しています。
地価高騰の背景
福岡市の地価高騰の背景には、**「コンパクトシティ」**としての高い利便性と、国内外からの人口流入があります。特に、都心部に近く、地下鉄やJRなどの交通アクセスが整備されたエリアで、マンション価格や戸建て住宅価格の高騰という現象が現れています。
このような状況から、福岡市は土地に関して非常に需要の高い状況であることが伺えますね。これを踏まえ、次の項目では土地を選ぶ際のポイントについて説明していきたいと思います。
2.土地を購入するときのポイント

<事前準備をする>
事前準備をしておくと、土地探しをスムーズに進められます。人気の高い福岡市で理想の土地を見つけるためにも、以下の準備は必須です。
- エリアと予算を決めておく
- 希望条件に優先順位を付ける
- 土地探しから購入までの流れを知る
・エリアと予算を決めておく
土地探しの重要な軸となるのが、エリアと予算です。注文住宅を建てたいエリアと、土地にかけられる予算を最初に決めておけば、迷わずに理想の土地を探すことができます。地価が高騰している福岡市では、予算内で収まるエリアや土地の大きさを現実的に把握することが、特に重要です。
・希望条件に優先順位を付ける
土地の希望条件を考えておくことで、自分の生活に合った条件の土地に出会いやすくなります。立地や周辺環境の希望条件や暮らし方も含めて、具体的に考えるとよいでしょう。人気の土地はすぐに買い手がつくため、事前に「これだけは譲れない」という優先順位を明確にしておくことが、迅速な決断に繋がります。
・土地探しから購入までの流れを知っておく
全体の流れについて知っておき、土地探しから購入までスムーズに進めように準備しましょう。 なお、流れは次のようになります。
- 土地探し
- 買付証明書の提出
- 住宅ローンの事前審査
- 土地の売買契約締結
- 住宅ローンの本審査
- 金銭消費貸借契約締結
- 土地の引き渡し・所有権移転登記
3.土地を選ぶときのポイント
周辺環境
具体的には、通勤や通学にかかる時間、利用する交通機関、込み具合など交通の利便性、日常的な買い物、週末のまとめ買いなど買い物の利便性もチェックしておきたいポイント。 また、病院や銀行、郵便局、図書館や体育館、区役所などの場所や距離も確認しておきたいところです。特に平日・休日、朝・昼・夜で周辺の雰囲気が変わらないか、実際に異なる時間帯に足を運んで確認することが非常に重要です。
災害発生時の安全性を確認する
建物を安全に建てるためには地盤の強さを調べる必要があります。地盤が軟弱な場合は、地盤改良のために50〜200万円前後の費用がかかることを想定しておきましょう。 また、事前にハザードマップを確認し、購入候補地の洪水・土砂災害・液状化などの災害リスクを調査することも大切です。特に埋立地や旧河川敷などでは液状化リスクの確認も必要です。
法規制を確認する
法規制には用途地域、建ぺい率・容積率、斜線制限など、さまざまな項目があります。土地の広さが十分でも、住宅の設計や建築に影響する「建築条件」を確認しなければなりません。建ぺい率や容積率の制限によって、想定していた住宅面積が確保できない場合がありますので、事前に確認しておきましょう。
建築・生活の障害になりそうなものがあるかどうか
現地を見るときに、建築・生活の障害になりそうなものがないか確認するようにしましょう。樹木、電柱、ガードレール、縁石などが工事や車両の出入りの妨げることもあります。 もし障害になりそうなものがあれば、費用や手間をみておくことになります。ガードレールや電柱の撤去をする場合は、行政協議が必要です。
土地の形と高低差を確認する
長方形や正方形などの整形地は、設計自由度が高く、コストを抑えやすい点が特徴です。一方、いびつな形の土地は土地代が安いことが魅力ですが、設計の制約が増え、建築費用が高くなる場合もあります。 高低差に関しても、周囲より低い土地では盛り土工事を、高い土地は擁壁工事を行ったりします。現地に行く際は、土地周辺の高低差や、土砂災害が起きそうな場所がないどうかもチェックしておきましょう。
隣地との境界線を確認する
土地の購入時には、隣地との境界線が明確になっているかどうかを確認しなければなりません。境界が曖昧な場合、のちに隣人とのトラブルに発展する場合もあるからです。売主に境界線の確定を依頼し、必要であれば測量士に依頼して境界を明示する作業をおこなうとよいでしょう。
敷地に接している道路
建物を建てる際は、建築基準法で定められた道路に2m以上接していなければなりません。これをクリアするために、土地の一部を道路用地として提供する**「セットバック」が必要になる場合があります。 また、前面道路が公道か私道か**どうかもチェックポイントです。面している道路が私道の場合は、新築工事をおこなう際に近隣住民の許可が必要になる場合があります。
インフラが整備されているかどうか
上下水道や電気、ガスなどのインフラが整備されているかどうかも大切なポイントです。インフラが未整備ですと、購入後に引き込み工事が高額になる可能性があります。特に上下水道が未整備の場合、浄化槽を設置する必要があるため、初期費用や維持管理の負担が増えるでしょう。また、ガスが都市ガスかプロパンガスかによっても、ランニングコストが異なります。
土地購入費以外の諸費用を確認する
土地を購入する際には、土地代以外にもさまざまな諸費用が発生します。例えば、不動産会社に支払う仲介手数料や売買契約書の印紙税、不動産取得税、登録免許税、登記費用などがあげられます。 これらの諸費用は、一般的に土地代金の5~10%程度を予めみておく場合が多いですが、地盤改良が必要な土地やインフラの引き込みが必要な土地では、より多くかかる場合があります。事前に見積をとってきちんと予算をみておくようにしましょう。
参考:土地購入にかかる諸費用はいくら?諸費用のシミュレーションから抑える方法まで解説!|【アットホーム】住まい・不動産のお役立ち情報&ツール
まとめ
いかがでしたでしょうか。 福岡市での注文住宅につきものの土地購入ですが、事前準備とこれらのポイントを押さえておくことで、理想に近い土地を見つけやすくなります。
特に地価高騰が続く福岡市では、迅速な決断と情報力がカギとなります。
福岡市は都市利便性の高さから全国でもトップクラスの地価上昇が続いており、中央区や博多区といった都心部は特に価格が高水準です。しかし、地下鉄沿線などの利便性の良いエリアでも、城南区や南区、西区の一部のように、予算を考慮しつつ住みやすさを両立できる場所も存在します。理想の住まいを実現するためには、「どのエリアなら手が届くか」「その土地にどういった建築制限があるか」**といった具体的な情報を、地元の不動産情報に精通したプロに相談することが非常に重要です。自己判断だけでなく、専門家のサポートを得ることで、優良な物件情報を逃さず、納得のいく土地選びができるでしょう。
素敵な土地は売れるのも早いものですが、素早く決断するにあたり、これらの内容を参考にしていただけたらと思います。