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福岡市で注文住宅を建てるといくらかかる?建築相場や予算の考え方を大公開

プロローグ

 福岡市はとても魅力あるところですよね。都会的な部分がありながら、海や山を身近に感じることもできるという良さがあります。

 そんな福岡で住宅を建てるとしたら、およそどの程度の費用をみておけばよいのだろうか。自分たちの世帯年収の場合、予算感としてはどのようなものなのか。そういったことを考えたことがある人もいらっしゃるのではないでしょうか。

 そこでこの記事では、福岡市で注文住宅を建てる場合の相場や、予算の考え方についてまとめてみたいと思います。

福岡の建築費の相場

 それでは、さっそく住宅金融支援機構が2024年に発表した「2023年度フラット35利用者調査」のデータをもとにしながらご紹介していきたいと思います。

<注文住宅の建築費>

福岡県 平均 3,847 万円

全国  平均 3,861.1 万円

<住宅面積平均>

福岡県 120.3 ㎡

全国  119.5 ㎡

<坪単価平均>

福岡県 平均 106.8 万円

全国  平均 105.7 万円

<土地の取得額平均>

福岡県 平均 1,230.3 万円

全国  平均 1,497.6 万円

こうしてみると、建築費は全国平均とかなり近いようです。

その一方で、土地の取得にかかる費用は少なめのようですね。

出典:住宅金融支援機構 フラット35利用者調査

福岡市の土地相場状況

土地価格

 

過去の当コラム「福岡市の土地探し|土地価格推移やおすすめエリアの売買事例を解説」でも触れたように、近年福岡市では地価が上昇中です。

 福岡市の地価公示によると住宅地平均価格は坪単価792,727円/坪で、前年からの変動率は+9.0%で2025年は過去最高値になりました。先述のコラム記事に書いたためここでは詳しく述べませんが、福岡市では再開発事業が進んでいて住宅の需要が高まってきていることが背景にあると考えられます。

参考コラム:福岡市の土地探し|土地価格推移やおすすめエリアの売買事例を解説

出典:福岡市 地価公示

福岡市の注文住宅における、土地と建築費以外の費用相場

 ここまでで、建築費と土地の費用について概況を見てきました。

 ここからは、家を建てるにあたりその他に必要な費用として、どのようなものがあるかをみていきましょう。

 なお、これらの費用は一般的に「諸費用」という名称でまとめて語られることが多いです。

土地の購入時にかかる諸費用の例

・仲介手数料

・登記費用

・固定資産税・都市計画税

・印紙税 など

住宅建築時にかかる諸費用の例

・地盤改良費

・上下水道の引き込み費用

・水道加入金

・登記費用

・印紙税

・地鎮祭代

・引っ越し代 など

 諸費用は、一般的には、建築費と土地取得費の合計金額の10%前後が相場といわれています。例えば、1,500万円の土地に2,500万円の注文住宅を建てた場合、総額が4,000万円になるため諸費用は400万円ほどかかる見込みとなります。これらの諸費用は住宅ローンに組み込むことが難しく、ほとんどの場合現金支払いになります。そのため、家づくりの予算を決める際は、諸費用がかかることを計算に入れて余裕を持った予算組みをするのがポイントといえそうです。

福岡市の注文住宅の建築費用の目安

 それでは、以上のことがらを踏まえて、福岡市で注文住宅を建てる場合にはどれくらいの費用が必要になるか目安を考えてみましょう。

 なお、ここでの建築費及び土地取得費の根拠として、「フラット35利用者情報(2023年度版)」の福岡県平均を用います。

建築費(3,847万円)+土地取得費(1,230万円)=5,073万円

5,073万円+諸費用(5,073万円の10%で507万円)=5,580万円

 このように平均で費用の目安を割り出すと、5,580万円という結果になりました。

 もちろん、選ぶ土地やどのような仕様の家を建てるかによって金額に差が出る数字ではありますが、この金額を一つの目安として見ることができそうです。

注文住宅を建てるときの予算の決め方とは

 ここまでで、かかる費用のおおよその目安が分かりました。

それでは、実際に注文住宅を建てる際の予算は、どれくらいを見込めばよいのでしょうか。結論からいうと、世帯年収の6~8倍が目安といわれています。例えば、世帯年収が600万円の家庭を例にとると、予算の目安は3,600~4,800万円となります。

「頭金」と「住宅ローン借入額」の考え方

 また、住宅の予算を考えるポイントは大きく分けて2つあります。

「頭金」と「住宅ローン借り入れ額」です。

それぞれどのように考えていくのがよいか解説していきます。

「頭金をたくさん用意した方が住宅ローンの借り入れを減らせそう。でもなにかあったときのために現金も残しておきたい。」

そう考えたことがある人も多いでしょう。

頭金とは住宅ローンをつかわずに支払う現金のことで、頭金が多ければ多いほど住宅ローンとして借りる額を減らすことができて、月々の返済は楽になります。

 フラット35の利用者調査では、建築の種類や年齢、世帯年収によっても違いはあるものの、建築費に対して10-20%程度を頭金として用意する人が多いようです。

 また、最近の傾向としては住宅ローン金利が低く、住宅ローン減税のような制度の影響もあり、頭金を少なくし、借り入れを多めにする方も少なくありません。

ここで、次のような疑問を持った方もいるでしょう。

頭金ゼロでも家は建てられるのか?

結論からいいますと、頭金なしでも住宅を建てられます。

金利が低いという背景もあって、実際に頭金ゼロや頭金が少額での建築は非常に多いです。

頭金ゼロの場合の注意点

 一般的に新築の住宅を購入する場合建築価格とは別に手数料など、先述の「諸経費」がかかってきます。

 この諸経費は、住宅ローンに組み込むことができる金融機関とできない金融機関があり、諸経費を住宅ローンに組み込めない場合は、諸費用ローンとして別途金利が高いローンとして組む必要があるケースもあるため、頭金なしで住宅ローンを組む場合は金融機関選びにも注意しましょう。

また、住宅ローンの審査に際し、金融機関は契約者の返済能力をみています。

そのため、頭金ゼロで住宅ローンを組む場合に本当にその人が返済していけるのか、勤務先や年収、返済期間や返済額がよりしっかりと審査されることがあります。

また頭金なしの場合は借り入れの金利が上がったり、場合によっては融資の審査が下りないというケースも考えられます。

世帯年収別・住宅ローンの相場

 それでは、世帯年収による住宅ローンの相場についても見ていきましょう。「フラット35利用者情報(2023年度版)」によると、2023年度に土地付き注文住宅を購入した世帯の平均年収は福岡県で約648万円です。全国平均は約704.1万円で、全国平均よりは少し低めです。ただし最も多い世帯年収は400~500万円のゾーンであり、これは全国でも同じ傾向が見られました。

住宅ローンが組める金額は、一般的に年収の5~7倍といわれています。ただし、申し込む方の収入状況や申込時の年齢、住宅ローン以外の借入状況などを鑑みて、借入可能額が決定することになります。

「フラット35利用者情報(2023年度版)」を見ると、土地付き注文住宅を購入した家庭の年収倍率は福岡県で平均7.7倍。これは全国平均の7.6倍より少し多い結果です。ちなみに年収倍率とは、住宅購入時にかかる所要資金を世帯年収で割ったものを指します。この年収倍率を最も多いボリュームゾーン~平均値周辺の年収400~700万世帯に当てはめてみますと、住宅購入額の平均は、以下のようになります。

年収400万円…年収倍率7.7倍=3,080万円

年収500万円…年収倍率7.7倍=3,850万円

年収600万円…年収倍率7.7倍=4,620万円

年収700万円…年収倍率7.7倍=5,390万円

 この年収倍率の金額から頭金の金額を引いたものが住宅ローンの金額になります。

具体的に例をあげますと、年収700万円の方が800万円の頭金を準備した場合、約4600万円が住宅ローンの金額になるというイメージです。

 なお、住宅ローンの返済額は、住宅の種類や借入額、返済期間によってさまざまなパターンがあります。最近は返済期間が長いタイプの住宅ローンも増えてきており、一般的に無理のない返済金額の目安としては年収の20%~30%程度といわれています。こういったことも参考にしておくとよいでしょう。

 以上、福岡市で注文住宅を建てる場合にかかる費用相場と、住宅ローンや予算の考え方について記事にしてみました。

今後の家づくりにぜひお役立てください。

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