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【福岡市で注文住宅を建てるならリンゴ型の間取りがおすすめ!家づくりのポイントも紹介】

注文住宅

第1章 はじめに:福岡市の暮らしと「リンゴ型の間取り」概要

福岡市で注文住宅を計画するとき、「土地の形や広さがバラバラで悩む」「共働きで家事が大変」「子育てと在宅ワークを両立したい」など、暮らしのリアルな課題が見えてきます。天神・博多に仕事の中心がありつつ、百道浜や大濠公園、糸島方面の自然にも近い福岡の暮らしは、移動時間を最小化して家の中の滞在価値を最大化することが重要です。そこで注目したいのが「リンゴ型の間取り」。家の中心にLDKを置き、その周囲を部屋や家事・収納・動線でぐるりと囲む配置を指します。丸いリンゴの実を想起させる、中心集中+回遊の発想です。

いまの“高断熱・高気密住宅”だから、リンゴ型はもっと活きる

最近の住宅は断熱材やサッシ性能の向上、隙間相当面積の低減により室内の温熱ムラが生じにくいのが特徴です。これがリンゴ型と相性が良いのです。

出典:ふくおか市生活ガイド福岡市のことがすぐ分かる、くらしの便利情報!

第2章 リンゴ型の間取りとは—“LDK”と“回遊”の基本コンセプト

リンゴ型の本質は「家の真ん中に“集い”をつくる」こと。中央に団らん・食事・学びが交差する大きな空間を置き、周りにキッチン、パントリー、ランドリー、浴室、ワークスペース、寝室、子ども部屋を“輪のように”配置します。特徴は三つ。
①視線と動線が自然に交わりやすく、家族の気配が届く。
②回遊できるため移動が短く、家事や子育てが楽。
③中央に光と風を集めやすく、コンパクトでも“広がり”を感じられる。

四角い箱に部屋を割り振る従来型と違い、発想は“LDKから外へ”です。

第3章 福岡市の暮らしとの相性

注文住宅

中央区・博多区は職住近接の都市生活。コンパクトな敷地でも回遊動線でストレスを減らせます。キッチン—パントリー—ダイニング—リビング—ワークの一筆書き動線が有効。大濠や薬院など人気エリアでは採光・視線配慮が鍵。早良区・西区の百道、室見、今宿、九大学研都市エリアはゆとりある区画も多く、リンゴ型の“LDK”を広く取りやすい。屋外デッキをLDKから直結し、海風を取り入れる設計が気持ちいい。東区は香椎照葉や海の中道方面など景観と生活利便の両立が進み、中央吹抜+周りに家事動線を集約すると、忙しい共働きでも回せます。南区・城南区は落ち着いた住宅地。二世帯や回遊できる家事動線が相性良し。介助を想定した“ゆるい円”の回遊で将来対応力が上がります。

第4章 LDK・周辺・環境で考える設計要点

1)LDK:家族が自然に集まる18帖前後のLDK。“LDK”は視線が抜けること、柔らかい音環境、可変性の三条件を満たす。
2)周辺:キッチン、パントリー、ランドリー、浴室、物干し、ファミリークローゼット、玄関土間、ワークスペースを“LDK”の周りに連結。行き止まりを作らず、どこからでも戻れるようにつなげる。
3)環境:光・風・熱・音の設計。トップライトや中庭、吹抜、通風の“入口と出口”をLDKに向けて配置し、夏冬の熱環境を整える。

第5章 福岡らしい設計ポイント

黄砂・PM対策として、ベランダに干さずに済む屋内干し動線(洗う→干す→しまう)をLDKの近くにまとめ、花粉・黄砂時期のストレスを下げる。糸島方面に出かける家族には、土間→土間収納→キッチン直通の帰宅動線を設定し、泥や砂をLDKに持ち込まない。実家が近く来客が多い世帯は、LDKの一角に迎えの場所(和室など)を用意。視線コントロールで生活感を隠せる可動家具が有効。災害時の備えとして、給電ポート・備蓄収納を常設し、非常照明を仕込む。

PM2.5・黄砂に関するリーフレット

第6章 回遊家事動線の実例(玄関→パントリー→キッチン→ランドリー→ファミクロ)

玄関→手洗い→パントリー→キッチン→ダイニング→ランドリー→物干し→ファミリークローゼット→廊下→玄関へ。これをLDKの周囲にぐるりと作ると、買い物帰り・調理・洗濯・片付けが一気通貫になります。回遊は短距離の連続であり、歩数は自然に減る。引き戸採用と通路幅の確保でぐっと家事楽に。

第7章 採光・通風・音環境の設計(吹抜/中庭/トップライト)

中央が暗くなる懸念には、(A)吹抜+高窓、(B)中庭、(C)トップライトの三択が有効。福岡の夏は日射が強いので、高窓に庇や外付ブラインドを併用し、冬は日射取得を増やす。吸音天井、ラグ、家具の配置で残響を整え、オンライン会議は音の反響を低減。

第8章 面積別プランの発想法

28〜32坪:LDK15〜18帖+一周リング。水回りは一直線に置き、扉は極力引き戸で回遊を阻害しない。
33〜38坪:LDK20帖+半屋外のデッキを直結。家の中心が明るく、外ごはんが日常に。
39坪以上:LDKを一部、二層吹抜にして広々明るく。小上がり和室など居場所を仕掛ける。

第9章 コスト最適化のコツ(“LDKに注力、周りはシンプル”)

リンゴ型は構造的に壁や柱の位置を吟味する必要があり、天井の取り合い、設備配管の経路など設計上の配慮が必要。コストコントロールの鍵は“LDKの質”に注力すること。床・天井・照明・造作はLDKに最も力を注いで、周りは既製の収納と建具でスッキリまとめる。

第10章 失敗しやすいポイントと対策(暗さ/詰まり/音干渉/収納分散)

リンゴ型

中央の暗さは採光計画によるもの。トップライトと吹抜の組合せで解決できる方法もあり。回遊の詰まりは、冷蔵庫や洗濯機の扉が通路を塞ぐ設計ミスが原因になりがち。開閉方向と通路幅を先に確定する。音の干渉は、ワークスペースをLDKの真横に置かないことで回避。収納はLDKの近くに“日常収納の塊”を必ず一つ設け、分散しすぎて歩数が増える事態を避ける。

第11章 エリア別ミニ提案(中央区・博多区/早良区・西区/東区/南区/城南区)

中央区(大濠・赤坂・薬院):視線配慮のスリット窓+高窓。LDKにダイニングを置き、朝も夜も街のリズムを感じる。
博多区(東比恵・吉塚):駅近の喧騒を遮り、LDKで静けさをつくる。遮音床と内窓で音環境を底上げ。
早良区(百道・原):学区重視の子育て世帯に、回遊スタディコーナー。見守りと自立のバランスが取りやすい。
西区(今宿・九大学研都市):海と山のアクティブライフ。土間—外収納—シャワーの帰宅導線で屋内を汚さない。
東区(香椎照葉・名島):風の道を設計しやすい街区。中庭—LDK—デッキの直線抜けで気持ちいい風を。
南区(高宮・大橋):買い物動線の短縮が家事を救う。玄関直結パントリーは最優先。
城南区(別府・田島):将来の二世帯化を見据え、回遊の一部を“車椅子OK幅”で確保。

第12章 二世帯・ペット・在宅ワークへの拡張方法

二世帯は“二つのLDK”ではなく“大LDK+サブLDK”にすると衝突が少ない。ペット動線は床材と足洗い場、在宅ワークは音と背景(オンライン映え)を設計に組み込む。LDKの周りに静かな個室を一つ確保し、行き止まりにならない裏ルートを用意。

第13章 資金計画とランニングコスト(断熱・日射・創エネ)

断熱・窓・日射遮蔽を強化したLDKは、冷暖房効率が高く、在宅時間の長い福岡の共働き世帯にメリット大。初期投資を、売電で回収する視点を入れ、太陽光や蓄電の導入判断は屋根形状と日射シミュレーションで決める。光熱費の将来見通しも踏まえ、ライフサイクルコストで比較検討する。

第14章 打合せチェックリスト(実務で使える要点)

・家族の“LDKでやりたいこと”が言語化できている
・回遊に行き止まりがない/扉の開閉方向は歩行の邪魔をしない
・採光:高窓・中庭・トップライトのいずれかを採用
・通風:入口と出口を対角に確保、花粉期のフィルタ導入
・収納:LDKの近接に、日常収納を設置
・家事:洗う→干す→しまうを10歩以内に
・音:ワークと寝室はLDKの音が聞こえる部分から外す
・将来:バリアフリー回遊ルートの幅を確保

まとめ:家の中心に、家族のしあわせを配置

リンゴ型の間取りは、家族が自然に集まり、LDK中心に短い動線で暮らしが回る設計志向です。土地条件が多様で、仕事と自然の距離が近い福岡市では、その利点が強く発揮されます。中央区・博多区のコンパクト敷地から、西区・早良区のゆとりある区画まで、この考え方を基軸にすれば、あなたらしいコストコントロールされた家づくりが可能です。注文住宅ならではの自由度を活かし、「家の真ん中に、家族のしあわせが集まる」——それがリンゴ型の本質です。
永大ハウスでは、お土地に合わせた間取りのご相談も受付中です。

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