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福岡市の治安は良い?悪い?家づくりの防犯対策やおすすめエリアを紹介

過去コラムでもふれたことがありますが、福岡市はコンパクトな作りで地下鉄やバス路線が充実しており、どこに住んでも生活利便性が高い地域であり、住みやすい街・住みたい街としてもかなり人気があるところです。

 しかし一方で、九州の中でも繁華街が多かったり、福岡県内に暴力団事務所が存在するなどの理由からなのか、実際の治安はどうなのかと疑問に思う方も多いようです。

 このコラムでは、実際のところはどうなのか、警察のデータなどを参考にしながら、福岡市内の治安が良い地域や気を付けるべき地域、防犯対策について見ていきたいと思います。

福岡市の治安は悪いのか?

 福岡市では2014年4月から「福岡市犯罪のない安全で住みよいまちづくり推進条例」を施行して、市民の防犯意識を高めたり、地域防犯活動を推進するための活動をしています。

 これにより、刑法犯罪認知件数を2013年の23,399件から18,000件まで下げることを目標としていましたが、2023年には12,681件まで下がっていて、この数字は政令指定都市と比較しても治安が良いといえます。

参考:「福岡市防犯のまちづくり推進プラン」年次報告書

福岡市内で治安が良い地域

 ここまでで、福岡市は実際には治安が良いほうだということがわかりました。

ここでは、そのなかでも治安が良いとされる場所について説明していきたいと思います。

・南区

 南区には、区内やその周辺に7つの大学や短期大学が集っていて文教地区といえます。那珂川や油山公園、鴻巣山などもあり、豊かな自然を感じられる住みやすい地域です。

 福岡市中心部までのアクセスもしやすいところで、ベッドタウンとしても栄えています。とくに大橋駅の周辺エリアは便利で施設も多く人気がある場所です。

 大橋駅は、特急を使えば天神まで4分で行けるだけではなく、駅から直結されたショッピングセンター「レイリア大橋」もあり、人気のショップでの買い物を楽しむことができます。

・西区

 西区は能古島などがあって、リゾートに来たような雰囲気を味わえる人気スポットがたくさんあります。

 位置的にも福岡市内から車で約30分程度という距離であることから、自然に囲まれた環境で子育てをしたいというファミリー層にも人気がある場所です。

 そんな西区のなかで住みやすいエリアと言えば、姪浜駅の周辺エリアでしょう。駅の周辺には西区役所や市民センターなどがあり、このあたりが西区の行中心地となっています。

 このあたりは戸建てやマンションを問わず住宅地が多い地域で、治安が良く落ち着いた雰囲気の地域です。

城南区

 城南区は福岡市の中心部にあって、令和5年に地下鉄七隈線が天神南駅から博多駅まで延伸したおかげで、便利さが増して注目されている地域です。

 七隈駅周辺は福岡大学に近いので、多くの学生が利用しています。このように城南区は、学生が多いという特徴がある一方で、高齢化がすすんでいるエリアという側面も持ち合わせており、昔から住んでいる住民も多い土地です。

 治安は良いほうですが、大学生が多く住むエリアでは夜騒がしいと言った声も一部で聞かれました。

福岡市で治安が良くないと言われる地域

住宅警備

 さて、これまで見てきたように福岡市は全体的には治安が良く住みやすいところではありますが、犯罪やトラブルが発生している地域もあります。

 住む場所に対して、特に安全面を重視して選びたいという希望がある方は、治安が悪い場所についても知りたいのではないかと思います。

 ここからは、福岡市の中では犯罪発生率が高く、治安が悪いと言われている地域について紹介していきます。

・博多区

 博多区は、JR博多駅を中心に繁華街が広がる地域で、福岡市内で最も人が多い地域の一つです。そのため、刑法犯罪認知件数も多く、2023年は県内で最も多い3,034件という結果でした。

 その内訳としては、区の犯罪件数の約3分の2が窃盗であり、自転車やバイクの盗難・万引き・車上狙いなどが多いという結果です。

 博多区のなかでも、とくに中洲川端駅周辺は屋台街や風俗店がある地域として知られています。中州の歓楽街の周辺は、夜遅くの女性一人での外出は控えたほうが良いでしょう。

・中央区

 中央区は、福岡県内で博多区の次に犯罪件数が多い地域です。内訳としては不同意わいせつ等の犯罪が博多区より20件多い60件に達していて、このような風俗犯が多いという傾向が見られます。

 中央区の中にある天神は、いわずと知れた若者が多く集まる地域ですが、そのなかでも警固公園付近は未成年の子どもたちが飲酒したり集まって騒いだりするなどの事象が問題とされ、最近では治安の悪化が気になるところです。

 ただし、同じ中央区の中でも、大濠公園駅や唐人町駅の周辺は住宅が多いところで、比較的落ち着いた場所となります。

・東区

 東区の刑法犯罪認知件数は、博多区・中央区に続くワースト3位となっています。東区の犯罪の内訳として目立つのは空き巣で、博多区と比較して20件近く多いという結果です。

 東区は繁華街よりも住宅街の割合が大きいことから、空き巣被害の数が多いと考えられます。また、実際に東区に住む人からの情報として多いのが、外国人が多い場所であるという点です。

 具体的には、箱崎や香椎といった家賃相場が低めの地域に外国人が多く住んでいるという情報が見られました。

参照:福岡県警

福岡市で犯罪やトラブルに遭わないための対策

 福岡市は治安が良く住みやすいエリアではありますが、他の都市と同じように、地域によっては犯罪やトラブルに巻き込まれる可能性が上がる場所もあります。

 安全に過ごすためには、犯罪に関する知識を身につけ、適切な対策を講じることが有効になるでしょう。

 ここからは、福岡市の環境や地域特性を理解にもとづき、犯罪やトラブルを上手に避けるためにどのような対策を行うことが有効なのかについて考えていきます。

・自転車の盗難対策

 福岡市では通勤や通学に自転車を利用する人がとても多く、自転車盗難件数も年間8,400件以上と非常に多くなっています。

 その中でも約3割を占めているのが、博多区・中央区・東区であり、該当する地域に住む予定の人は自転車の盗難には十分に注意が必要です。

 データによると、自転車盗難の被害に遭ったケースの6割が施錠をしていなかったことが分かっていますので、自転車から離れる際は必ず施錠しましょう。

自転車本体の施錠をしたうえで、柱やフェンスなど動かない場所にチェーンやU字ロックで固定する二重ロックをしておくと、盗難の抑止力になります。

また、一戸建てであれば防犯カメラやセンサーライトの利用、サイクルラックを設置して、チェーン型の鍵をかけるのもおすすめです。

・空き巣被害対策

 警察庁の「住まいる防犯110番」のデータによると、2023年(令和5年)における一戸建て住宅の侵入窃盗の認知件数は13,490件。共同住宅の4,889件と比べると、3倍近く多い結果となっています。

 一戸建てがなぜ狙われやすいかというと、玄関や窓などの侵入経路が1階にあるので入りやすい上に、出入り口が複数ある場合が多いことが挙げられます。

 また、多くの一戸建てはマンションと異なり防犯カメラやオートロックなどの防犯設備がなく、さらにお風呂やトイレの窓を無施錠のまま外出する場合があります。

 家づくりをする際には、防犯カメラやセンサーライトを設置したり、すぐに侵入させないための手段として防犯ガラスのサッシを導入するなどの方法も有効です。

 ぜひ地域の治安情報をチェックして、危険なエリアや時間帯も把握しておきましょう。
家づくりは一生に一度の大きな買い物です。デザインや機能性はもちろん大切ですが、何よりもそこに住む家族が安心して暮らせる環境を整えることが最も重要です。物理的な設備投資と、地域の治安情報を活用した具体的なリスク管理、そして地域社会との連携を通じて、安心で快適なマイホームを実現してください。

参照:住まいる防犯110番

まとめ

 以上、福岡市内で治安の良いエリアと治安があまりよくないと言われているエリアについて、地域の特徴や犯罪の傾向を踏まえて、対策などもまとめてみました。
福岡市は、国際都市としての魅力と、豊かな自然が調和した素晴らしい街です。皆様が福岡市でより安全で快適な生活を送るための具体的な手助けとなれば幸いです。
日々の暮らしの中で少しの注意と対策を心がけることで、福岡での生活はさらに充実したものとなるでしょう。皆さまのお役に立てていただければ幸いです。